■組合の主張・焦点■ 戻る

「憲法破壊の『戦争法案』を阻止しよう」

 安倍内閣は、憲法違反の「集団的自衛権容認」の憲法解釈変更の閣議決定をうけて、5月14日「戦争法案」(安全保障関連法案)を閣議決定しました。

 そもそも安倍内閣は、4月にアメリカ政府との間で18年ぶりに改定した新たな日米軍事協力の指針(ガイドライン)において、「アジア太平洋地域およびこれを超えた地域」での「切れ目のない日米共同の対応」を表明。日米両国が世界の安定のために「主導的役割を果たす」と宣言しました。そしてこれまで限定してきた「周辺事態」を地球的規模に拡大し、「後方地域」と限定されていた活動地域も限定を取り除き、現行の安保条約の枠組みを大きく超える地球的規模での米軍への協力、後方支援を行うことを盛り込みました。「戦争法案」(安全保障関連法案)の国会上程も行われていない中で、いち早くアメリカとの間で合意し、支援を約束した安倍政権の姿勢は国民と国会をないがしろにするものであり、許されるものではありません。

 国会に提出された「戦争法案」(安全保障関連法案)は、戦争中の他国軍を兵站支援する新法の海外派兵恒久法と、派兵法制・有事法制10本を海外派兵仕様にかえる改定一括法の2本です。法案の最大の眼目は、自衛隊をいつでも、どこでも、国際法上どんな根拠でも、米軍の戦争を支援する体制の構築にあります。とりわけ米軍の戦争に際し、従来禁止してきた「戦闘地域」まで行って軍事支援し、自衛隊が「殺し、殺される」戦闘を行うことが盛り込まれています。自衛隊関係者はじめ多くの国民が日本の防衛とは無関係な「戦死」の拡大につながるのではと不安を募らせています。

 日本は第2次世界大戦において近隣諸国の多くの命を奪い、また原爆投下の等同胞の多くの犠牲を払いました。その痛苦の反省から再び武器を取らない、国際紛争の解決の手段として武力を行使しないと、憲法に謳いこれまでまがりなりにも守ってきました。改定された日米軍事協力のガイドラインと提案された「戦争法案」は戦後70年の歩みを否定し、憲法で謳われた平和主義を根本から否定する戦後最悪の暴挙であり、断じて認めるわけにはいきません。憲法9条と平和を守るため、ガイドラインと「戦争法案」の撤回まで、働く仲間、国民と共同して全力をあげましょう。