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大震災から3年 復興・復旧は待ったなしの状況

 東日本大震災から3年がたちました。一部に仮設商店街や被災した工場の整備がすすめられ、災害公営住宅の整備や移転事業が動き出したものの、多くの住民からは「まだまだ復興という状況にない」との声が聞こえてきます。
 被災地の現状は、いまなお26万7千人余り(内原発事故に苦しむ福島が最も多く13万3千名あまり)の方が避難先で暮らしておられます。その内9万8千人を超える方が狭く、住環境の悪い仮設住宅の生活を余儀なくされています。その背景には、生活支援策の不十分さや、移転事業の遅れ、復興公営住宅の整備が進んでいない(岩手、宮城、福島の3県でわずか935戸)ことがあげられます。さらに福島では除染をはじめ原発事故の収束の見通しが立たないばかりか、相次ぐ汚染水漏れ問題で放射能汚染への不安と懸念が広がっていることがあります。

 こうした復旧・復興の遅れが町の衰退と助かった命を奪っている厳しい現実があります。この間被災3県の沿岸部の37市町村のうち、34市町村で人口が減少しています。うち7市町村では10%以上減少しています(宮城県女川町では25%の減)。宮城県石巻市松原町では住民の7割が転出・転居。その多くが若い世帯です。原発被害に苦しむ福島のある町の調査では、町に戻ると回答した人が2割もなく、戻らないと回答した人が約4割に上っています。一方、福島では震災後の震災関連で亡くなった方が1664人にのぼり、震災で直接無くなった人数を上回っています。

 復興・復旧はまさに待ったなしの状況と言えます。復興・復旧には安住の地(家)と生活の見通しをつけること(仕事・所得保障)、医療・福祉の整備が必要です。国の生活再建支援金がわずか300万円では再建できる人はわずかです。町を再び蘇らせるために地方自治体も含め抜本的な支援策を講じるべきです。また「縦割り行政の弊害」で使い勝手の悪い復興事業を市町村の裁量を大きく認める仕組みに再構築することが必要と言えます。原発事故の解決に国が全力をあげることは当然です。繰り返される汚染水漏れ事故はあってはならないことです。東電任せにするのではなく国が前面に立って抜本的な対策を講じるべきです。安倍政権がすすめる原発の再稼働・国外輸出など、福島の実状を考えるならば言語道断の行為です。