■組合の主張・焦点■ 戻る

消費税は日本国憲法に背いている


「最小不幸社会」、民主党管直人首相が就任あいさつで掲げたスローガン。

どこかざらつきを覚える言葉だ。不幸を最小にするというよりは、最小の不幸は受け入れ耐えよ、と言っているように聞こえる。まさに国民に痛みを押し付けた小泉構造改革
と根っこは同じではないか。憲法25条の冒頭は「全て国民は〜」としている。そんなことを考えていたら、17日発表のマニフェストでは「消費税の10%」引き上げに言及、18日には「強い経済」実現に向け、「高すぎる法人税40%を欧米並みの25%程度へ」を公表した。

導入されてから22年間の消費税累計が224兆円、それに対し208兆円の法人税減税、実に消費税増収分9割以上が法人税減税に廻されたことになる。

今回の引き上げ案では、消費税増収分12兆円のうち法人税減税9兆円、消費税引き上げ5%の内4%が法人税減税に廻される。

立正大学の浦野教授は「日本国憲法は、〜すべての税が、平和と福祉・社会保障のために使われる〜と定めています」と述べている。憲法が求める税の在り方は「応能負担原
則」であり、所得税中心の「累進課税」、「勤労所得軽課・費産所得重課」、「最低生活費軽課・生存的財産非課税」であった。消費税は応能負担など憲法の理念に反している。そして「社会保障目的税にする」という案は、二重の意味で、憲法の精神に背いている。

企業の消費税は、 「総売上」から「課税仕入れ」を引いたもの、すなわち人件費と利益に対して課税される。そこで大企業などは正社員を削減し、企業内に労働者を非正規
・派遣労働者にシフトした子会社をつくり、人件費を外注化させることによって、納税が減る仕組みとなっている。そこからみると消費税はまさしくリストラ促進税であり、ワーキングプア税制だと、浦野教授は指摘している。

昨年の総選挙で国民が示したものは、新自由主義、構造改革路線に「ノー」をつきつけたものであったはず。いまこそ転換を!