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要求を大切に、本音で語る職場会議を!


 二年ほど前になるが、わすれられないたたかいがある。

 ある社協の分会。夏季一時金引き上げ要求を提出していたが、新任の事務局長が「給与規程にない一時金を今まで非正規に支給していたことこそが問題」と、非正規の一時金の全額カットを逆に通告してきた。

 この通告に対して分会がとった行動は、一時金支給日に正規職員が銀行で現金を引き出してきて、「非正規の一時金支給が実現するまで、正規職員も一時金を一円たりとも受け取らない!」と、全員の現金をまとめて事務局長の机に積み上げたのだ。

 当該の地方本部は闘争の支援を決定、中央本部に対しても闘争資金での支援を要請した。

 その後数回の団交を径て、理事側に「通告」を撤回させ、協定をかわして非正規職員への一時金支給を実現させた。要求額には満たなかったが引き上げもさせ、全面勝利した。

 この分会は、非正規も合めて職員全員が組合員であった。それにしても、支給された一時金を職員全員が全額返還する、というこのたたかいの方針が、どういった議論の経過を経て出されていったのか、驚くばかりである。

 当然ローン支払いを予定していた人も、夏の家族旅行を予定していた人もいただろう。それでも少数の非正規職員の一時金を守るために、正規職員の全員が団結してたちあがった。

 このたたかいを全面的に支える決定をした地本もさすがであるし、その地本を支えることのできる中央本部、全国組織があることのすばらしさをいまさらに思う。

 それぞれの職場は、労働組合のとりくむべき要求・課題の生まれる源泉であり、職場が組合活動の出発点であり、たたかいの最前線である。

 その中では、徹底して本音で語り合える自由な話し合いのもと、組合民主主義が貫かれなければならない。紹介した一時金返還闘争」は、われわれにそのことの重要さを教えてくれている。