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福祉人材難に拍車をかける橋下PT案の撤回を

新聞報道によると、大阪市の平松市長は来年度から8年間で、1千億円超の歳出削減計画「新マニフェスト」の策定を決めました。06年2月に策定された現行の「市政改革マニフェスト」では、阿倍野再開発事業などの赤字補填にともない、また財源不足が生じるためということです。

ここには財政危機の原因への反省のない、市民犠牲の財政再建策が再建につながらず、新たな財政危機とさらなる市民犠牲を押し付ける、今の自治体の行政改革の特徴が際立って現れています。

橋下府知事の「財政再建プログラム試案」(PT案)も同じ手法です。大阪市も府も大企業・関西財界を優先して、自治体改革と財政再建を推進しようとしています。橋下PT案も財政危機の原因となんの関係もない、職員給与削減や教育、医療、福祉の削減が主な内容です。今、福祉現場では、福祉人材保障の問題が全国的にも、大阪でも焦眉の問題となっています。国においては、昨年8月に15年ぶりに新人材確保基本指針が告示されました。今国会でも、「人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律案」が成立し、来年4月1日までに、必要な措置を講じることになっています。

福祉人材難は都市部でより深刻で、大阪府でも早急に人材確保対策がもとめられています。しかし今回の橋下PT案は、こうした福祉現場の実態をいっさい省みず、福祉事業補助金を今年度と来年度で総額25億円以上もカットする内容です。

府には福祉施設の職員が長く働きつづけるために、給与の公私間格差是正制度がありました。その改悪も大阪府の福祉人材難の一要因です。橋下PT案は、その再構築でつくられた「社会福祉施設経営安定化推進事業補助金」や「児童福祉施設等機能強化推進費」などを廃止・縮減するものです。福祉人材確保対策とはまったく逆行し、今の福祉人材難にさらに拍車をかけていくものです。

橋下PT案の撤回と福祉人材確保対策の推進を求める府民運動をすすめましょう。