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06春闘を新しいたたかいの出発点に

3月15日、06年春闘での大手・大企業の回答が出された。注目のトヨタは満額回答の1千円ベア、一時金(ボーナス)も満額で5ケ月プラス56万円(237万円)という。自動車産業労働者の平均年齢は、2年前の04年で39歳である。

年間1兆円をこえる純益をほこるトヨタの賃上げが、高いのか低いのかと問えばあきらかに低い。大阪労連の「06年度ビクトリーマップ」は、大阪に本社をおく資本金100億円以上の大企業134社の内部留保が約25兆650億円と、いぜん最高水準を保ったままであることを指摘している。不況風のつづく大阪の地ですら、大企業のボロ儲けぶりを見たとき、トヨタをはじめとした大手・大企業の06年度の賃上げは、今後の春闘の助走として位置づけたいものである。一部マスコミは「労組腰砕け」(16日付「朝日新聞」)などといっているが、ボロ儲けをつづけてきた日本の大手・大企業の重い扉が、賃上げの世論におされ5年ぶりにこじ開けられたと正しく評価すべきである。

ところで、周知のように昨年の「05人勧」は月額平均0.36%マイナスの勧告をおこなっている。同時に、06年4月から能力査定給を導入し、政府は国・自治体の公務員へのきびしい攻撃を加えてきている。

民間労働者に賃上げムードのただよう一方で、かたや公務員攻撃である。まさに官・民労働者の分断である。福祉労働者の圧倒多数は民間福祉労働者なのであるが、賃上げや労働条件は民間労働者の影響下にあるのではなく、公務員攻撃の枠内におかれている。

なぜなら、民間福祉の経営財源は、税であれ保険料であれ、基本的には公務員・「人勧準拠」だからである。

政府は"小さな政府"論を国民に大宣伝するが、公務員や公務員準拠の人件費を下げることは、けっきょくは国民の生活サービスの切り下げでしかない。

官・民労働者の分断攻撃は、「国民サービスの決定的な低下であることの強調」を、「06国民春闘」でつよく訴える必要があるのではあるまいか。