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07国民春闘


〜目次〜



07国民春闘


はじめに

 春闘とは、労働者同士の競争を乗り越えて団結して要求実現にむかう運動です。
運動にあたって年に一度、自分たちの賃金、労働条件と生活のあり方、働き方や健康状態、仕事と職場、施設の現状などを見つめなおし、「生活でき、働き続けられる賃金を」「国民一人ひとりが大切にされる社会保障を」「平和な社会を」などの多くの願いや要求をたばねていきます。

 しかし「そうはいっても仕組みや制度を学習すればするほど、経営の困難さばかり目につき、要求をあきらめてしまう。そんな時に賃上げといわれても・・」と職場からのため息が聞こえてきます。

 いま職場では仕事を続けることもままならず、やりがいさえなくし、職場を去っていく仲間も少なくありません。一方「構造改革」のもとで「格差と貧困」が広がり、労働者や国民生活の深刻な状況が際限なく深まりつつあるなか、安倍内閣は一層の大企業への減税と労働諸法制の改悪、憲法改悪をすすめようとしています。

 しかし、いま情勢は変化しつつあります。劣悪な賃金水準や過酷な労働により他産業を大きく上回る離職率や人材不足が社会的にもとりあげられ、政府や厚生労働省も福祉人材確保対策に腰をあげざるを得ない状況が生まれています。テレビやマスコミで格差と貧困、ワーキングプアの問題がとりあげられ、「構造改革」への批判とともに格差社会の是正など政治のあり方を問う世論が大きくなっています。偽装請負や違法な派遣労働に対し、労働組合を結成して青年労働者が闘いを広げています。

「出直してよ!障害者自立支援法10.31フォーラム」を頂点にした自立支援法の応益負担中止などの見直しを求めた運動は、3年間で1200億円負担軽減の補正予算を出さざるを得ないところまで政府を追いつめています。また、保育関係者の粘り強い運動で、請願署名が衆参両院で採択されました。それぞれの情勢は、運動なくして前進がないことを示しています。

国際情勢に目をむけると、中南米で新自由主義路線に反対する政権が次々と誕生しています。また、泥沼化したイラク情勢は、アメリカがおもうように国際社会を動かせていないことを証明しています。

小泉構造改革を引き継ぐ安倍内閣の悪政は国民・労働者との間に矛盾を深めています。4月の一斉地方選挙や、7月の参議院選挙は、国民・労働者の要求実現と憲法を守る勢力の躍進をめざす絶好のチャンスではないでしょうか。

 情勢に確信をもって07春闘にとりくみましょう。世の中の動きと私たちの職場で起こっていることは決して無縁ではありません。労働組合の原点にもどり、「だれもが生活できる賃金要求」に確信を持って、職場の団結のもとに07春闘を大きく前進させましょう。


I.07春闘をとりまく情勢

1.大企業の優遇税制とどこまでも広がる国民負担

上場企業は2007年3月期経常利益が4期連続で過去最高の利益を更新しています。アメリカや中国など、世界規模での景気回復にのり、輸出を中心とする業績アップと「構造改革」による賃下げとリストラ、非正規化の横行などによる人件費の徹底抑制、外国人労働者の無節操な活用、違法派遣、偽装請負、サービス残業等々によって、大企業はバブル期を超える空前の利益を伸ばしています。大手銀行6グループの9月中間決算は、合計純利益1兆7300億円で前年を上回り、中間決算での過去最高を更新したにも関わらず、過去の不良債権処理などで、利益と相殺され、法人税は一円も支払っていないのが現状です。

 さらに、政府税制調査会は、2007年度の税制改正で、さらなる法人税率の引き下げ(7千億円規模の減税)を先行させ、7月の参議院選挙後に消費税増税の論議をおこなう方針を決めるなど、国民を馬鹿にしているといわざるをえません。

 昨年9月に労働市場の開放として、日本とフィリピンは経済連携協定を締結しフィリピンから看護師400人、介護福祉士600人を受け入れることがきまりました。フィリピンはその代わりに日本からの産業廃棄物等の受け入れが義務づけられました。つづいて、インドネシアとも協定合意され、看護師と介護福祉士のほか、旅館などの観光分野も実習生を受け入れることになります。インドネシア側はこれと交換に、日本から輸入する自動車・電気機器などの関税を撤廃するなど、ここでも政府は大企業の利益と、安い労働力の確保を優先させています。

 安倍首相の諮問機関である規制改革・民間開放推進会議は、06年12月に「第3次答申」をだしました。それを受けて政府は2月の通常国会で、ホワイトカラー労働者の残業規制を撤廃する新労働時間法制(ホワイトカラーエグゼンプション)や就業規則の不利益変更手続きに関わる労働契約法制などの法案をだそうとしています。労働運動総合研究所の試算によると、新労働時間法制が導入された場合、残業のカットで一人当たり年間114万円の損失がでると発表しています。

長時間、過密労働が蔓延し、非正規職員が増大する中で、精神的に健康を害している労働者が急増し、自殺者が8年連続3万人を超え、過労死が後をたちません。にもかかわらず、企業の利益のために政府がそれらの法案を変えること自体、労働者の生命も軽るんじているものであり、労働者の労働・生活水準を悪化させるものでしかありません。07春闘の課題として「人間らしく安心して働けるルールの確立」を求める全労連・大阪労連のたたかいに集中していくことが求められています。

2.平和と民主主義を守り、憲法改悪を許さず政治革新をめざそう

11月7日のアメリカ中間選挙でブッシュ大統領の共和党が大敗し、12年ぶりに民主党が上下両院で過半数を獲得しました。その大きな要因はイラク戦争にみられる「戦争の泥沼化」、軍事的行動の最優先への反発と批判、そして格差拡大による貧困の是正を求める国民世論が反映したものといわれています。また、イギリスのブレア首相もアメリカ追従の姿勢が批判され退陣が確実となっています。

一方、ベネズエラ、ニカラグア、ブラジル、エクアドルなどの中南米を中心に「新自由主義」路線に反対する政権がつぎつぎに誕生しています。

まさに世界は、アメリカを軸とした軍事的支配と弱肉強食・市場万能の新自由主義路線に反対し、戦争をなくし、格差と貧困をなくそうという流れが広がりつつあります。

日米軍事同盟を強化する諸政策をおしすすめ、「日本を戦争する国」に変えようとすることは、平和を願う世界の流れから逆行するものであり、日本は国際社会からの孤立化を深めていくことにしかなりません。

安倍首相は、昨年末の臨時国会で防衛庁を「省」に格上げする法案、教育基本法改悪法案を成立させ、今年1月の年頭の記者会見では「7月の参議院選挙で憲法改正を争点とする」ことを言明しています。

全労連・大阪労連が提起する憲法改悪阻止の国民的な共同運動に結集し、財界と政府がおしすすめようとする労働諸法制改悪に断固反対していきましょう。

4月に「統一地方選挙」、7月に「参議院選挙」がおこなわれます。この二つの選挙は、憲法改悪、労働諸法制改悪、福祉市場化をすすめる勢力に対し、「NO」の国民の審判をくだし、政治革新で公的福祉の再生と福祉労働者の要求実現をはかっていきましょう。

組合員の政党支持、政治活動の自由をまもり、特定政党や候補者の支持おしつけに反対し、全組合員が投票、かつ自主的な選挙運動に積極的に参加することを呼びかけるものです。

3.福祉制度破壊のもとでの、労働の変質と深刻な福祉労働者の実態

 安倍首相が議長をつとめる経済財政諮問会議は、5年間で1兆1000億円分の社会保障費を削減し、社会保障給付の原則を「必要に応じた給付」から「負担可能な範囲での給付」へと転換させることとしました。そして「国民の負担増、給付削減」の前に、「供給コスト削減が重要」として、@ 特別養護老ホームヘの株式会社参入の促進と、社会福祉法人の改革として施設整備費補助など特例措置の見直しをあげるとともに、A 介護専門職の高度化と省力化をあげています。安倍首相はとりくみを積極的におこなうように指示し、「骨太方針07」に盛り込むとしています。あくまでも社会保障費を「高コスト」ととらえ削減をめざす方向は、現在の社会福祉法人経営をさらに圧迫し、さらなる福祉労働者の賃下げが危惧されます。

申請が受理されず餓死事件まで発生するほど後退している生活保護行政をめぐって、厚生労働省は自宅などの不動産を担保に貸し付ける制度(リバースモーゲージ)を07年から創設し、生活保護扶助より貸付を優先適用する方向をうち出しました。さらに、07年度予算案における社会保障分野の見直しの一つに「生活保護制度の見直し」をあげ、現在の生活扶助水準が一般低所得者層世帯収入よりも高いことが問題であり、「モラルハザード(倫理の欠如)」が生じるとして、さらなる生活保護扶助水準の切り下げをはかろうとしています。

 厚生労働省がまとめた「06年就労条件総合調査」で、「医療・福祉」で働く常用労働者一人あたり一ヶ月平均労働費用は27万円。全産業平均約46万円に比べ19万円も低いことが明らかとなりました。比較的高い医療労働者との数字を考慮してみると、福祉労働者はさらに低いことは明らかです。

 政策的な社会福祉のコスト削減の方向は、労働そのものの質を大きく変化させています。介護報酬、支援費にみられる時間あたりの給付ヘの転換などは、現場において「福祉労働本来の役割である個々の利用者の状況に基づき、発達をうながし、利用者の権利を保障していく労働」から「マニュアルに従った一方的なサービスの提供労働」へと変質がすすんでいます。そのことが専門性を低め、さらなる劣悪な賃金・労働条件をつくりだしています。07春闘では、とりわけ私たちの福祉労働の実態を国民にとっての社会福祉のあり方とともに社会的に告発していくことがきわめて大事になっています。

 社会福祉事業の展開にとって、福祉人材の確保・育成は重要であり、利用者の生活と権利保障に直結する課題です。いま現場では深刻な労働力不足問題が広がっています。とりわけ、高齢者、介護分野では、年間の平均離職率は労働者平均16%に対し21%強という高率であり、平均勤続年数も全労働者平均の13,4年に対し介護職では3,4年とほぼ4分の1、勤続1年未満で8割の労働者が退職しています。

また、組合の07春闘アンケートでも、8割の労働者が福祉の仕事に魅力を感じつつも、6割以上の福祉労働者が「辞めたいと思う」と回答しています。こうした人材不足状況は、高齢者、介護分野にとどまらず、全福祉分野に及ぶことが予測されます。

 これらの労働力不足の要因は、福祉現場の@ 低賃金、A 過重労働、B 社会的評価の低位性、C 将来展望の希薄性にあります。

 福祉労働者の劣悪な労働実態の背景には、以下のことが指摘できます。@ アメリカ資本を含む大企業が、税・保険料などの負担の軽減や、国家の社会保障財政の削減を政府に強く求めているとともに、A高齢、保育、障害分野で利用負担を増大させ、営利化・市場化のもとで、ビジネスチャンスを展開しようとしていること、政府もその後押しをしてきたことにこそ、原因があります。

まさしく大企業が望む「社会福祉構造改革」のもと、社会福祉経営が脅かされ、そのもとで専門職としての福祉労働がこんなにまでも買い叩かれ低い状況になっています。そしてそのことは、権利としての社会福祉がないがしろにされているといっても過言ではありません。「無権利化」していることをひろく国民、労働者にアピールし、改善運動をとりくんでいきましょう。

4.自治体の動向について

(1) 大阪府の動向について

府下の民間保育園や措置施設を対象に、民間社会福祉施設経営安定化推進事業の今年度の補助金は8億7000万円です。内容は、@ 給地区分是正(府下すべての地域を10%とする)と、A 勤続年数補正(府独自の基準)です。2007年度は激変緩和措置の最後の年になるので、事業は維持するとしています。「府行財政改革プログラム素案」では、@の給地区分是正が削減の対象となっており、2008年度に検討し、2009年度実施の予定です。この補助金は、人件費である調整手当(地域手当)10%支給の根拠となっており、削減を許さない運動が必要です。

また、子育て支援保育士事業では、昨年は68カ園で、予算は1億880万円(保育園1ヶ所160万円)だったものが、今年度は170カ園となり、予算は2億7200万円となっています。来年度はさらに広がる予定です。

 障害者地域生活支援での「授産施設等機能強化事業」では、今年度は継続となりました。自立支援法による事業移行がなされたとしても、来年度も人件費として継続していく運動が求められています。

(2)自治体の動向について

 産休・病休代替制度は、保育園、措置施設職員を対象に、大阪府も含めて大阪市、堺市、東大阪市、高槻市で存続させていますが、この制度そのものを知らない経営者も多く、就業規則に産休・病休が無給になっている法人が増えています。制度を活用しなければ、制度はなくなります。春闘期にしっかり要求していきましょう。

 大阪市支部の運動を背景に市公私間格差是正制度を堅持させていますが、障害者自立支援法実施で、障害児施設が対象外とされようとしています。契約と措置が混在する職場に対しては、公私間格差是正制度の対象にするよう運動をすることが求められています。


II.07春闘の要求と重点課題

(1)全労連・大阪労連が「戦後史をかけた正念場のたたかい」と位置づける改憲策動反対のたたかいをあらゆる課題と結合させ、とりくみをすすめます。

(2)賃金底上げ闘争を重視し、地方本部統一要求書を全分会の提出をめざします。あわせて「人材確保指針」見直しにむけた、たたかいを春闘期から本格的に展開していきます。要求実現のため、組織拡大・強化をすすめていきます。

(3)「常勤換算方式」に反対し、介護保険と障害者自立支援制度の改善を政府、自治体に求めていきます。公立保育所の民営化に反対していきます。

(4) 改悪された医療制度の改善をもとめるとりくみや、消費税大増税、生活保護基準の「見直し」など国民いじめの政策に反対し、共同の運動を地域から前進させます。

(5)格差の是正と貧困の解消を求め、働くルールの確立をめざします。労働契約法制、労働時間管理の規制緩和などの労働時間法制など労働諸法制の全面的な改悪に対しては、大阪労連に結集してたたかいます。あわせて、均等待遇の実現につながる「パート労働法改正」の要求運動にとりくみます。

(6)国民投票法案など憲法改悪につながる法案や、米軍基地再編にかかわる法案の整備や集団的自衛権の行使など、改憲解釈の拡大となる動きに反対していきます。すべての職場で「九条の会」を結成していきます。

(7)憲法を守り、格差社会の是正、社会保障・社会福祉の改善をめざし、4月に予定されている統一地方選挙、7月の参議院選挙をとりくみます。


III.「07国民春闘」のとりくみの具体化


(1) 定期昇給実現、非正規職員の「均等待遇」を重視し、地方本部統一要求書を全分会の提出をめざします。あわせて、組合員一人100筆目標の「人材確保指針」署名をすすめていきます。

@ 「地方本部統一要求書」を全分会で提出していきます。提出は2月23日を中心に、ゾーンとして2月22日から28日としていきます。指定回答日は3月14日とします。賃金闘争の具体化は「賃金改善のとりくみ」(福祉保育労大阪地方本部「07国民春闘」付属文書)にもとづいてとりくみをすすめます。

A 社会福祉法人の非営利性と公共性の保障をめざす運動を地域住民や経営者と共同してとりくんでいきます。また、3月1日には経営者同友会と懇談を予定するとともに、2月をめどに福祉業界との懇談もおこなっていきます。

B 大阪労連・大阪春闘共闘に結集し、憲法改悪反対の運動をすすめていきます。企業法人税の減税や消費税増税に反対し、医療、年金、介護保険改善などの国民的な生活擁護の運動を、福祉労働者の賃金・労働条件改善の運動と結び付けてとりくみます。2月17日の労働諸法制改悪反対の中央行動に結集していきます。
 2月15日の07春闘勝利総決起集会、2月23日の地域総行動、3月15日の大阪総行動に参加していきます。また、5月1日の大阪中央メーデー、地域メーデーには当該分会の分会・班、支部でとりくみを強化していきます。

(2)大阪府をはじめとした自治体へのとりくみ


@ 大阪府に向けた請願署名の最終を2月20日とします。それにむけて、組合員一人100筆の目標達成をめざします。

A 春闘時期、支部・分会を中心に、介護保険と障害者自立支援制度の改善を求め、公立保育所の民営化に反対する要求書を、自治体に提出し交渉をおこなっていきます。あわせて、政府への「実効ある福祉人材確保対策の確立を求める意見書」採択を求めていきます。

B 4月におこなわれる一斉地方選挙、7月の参議院選挙を要求実現の機会と位置づけ、職場論議をすすめていきます。首長選挙では、一致した要求に基づき、幅広い労組・団体・政党と共同し、労働者、住民の立場に立つ首長実現のため奮闘します。

(3)政府にむけてのとりくみ

@ 3月6日の「07春闘福祉保育労統一行動」には、職場代表をおくりだしていきます。あわせて、一人100筆目標の福祉人材確保対策の署名の目標を達成していきます。

A 福祉人材確保推進委員会で福祉人材確保に対する検討をはじめるとともに、福祉関係者とともに実行委員会を発足させ、実態告発フォーラムなどを計画していきます。福祉人材確保にむけた調査活動をおこない、国民的アピールをおこなっていきます。

B 総合社会福祉研究所など福祉、医療関係者ととりくむ、3月25日の「フィリピンの看護師、介護士の受け入れを考える集会」(仮称)を成功させていきます。


IV.福祉保育労大阪地方本部「統一要求」

(1)賃金等の要求

@ 誰でも10,000円、パートなど非正規職員は時給100円の引き上げを要求します。また、福祉職場への「能力給」や「成績給」の導入、人事考課の導入には反対します。
地域手当(調整手当)も含めて、18歳初任給166,540円、20歳初任給178,860円、22歳192,930円、30歳270,160円、40歳376,530円、50歳447,810円のポイント賃金を要求します。(福祉職俸給表を参考にした賃金要求)

A パート・非常勤職員など非正規職員については正規職員との「均等待遇」を要求し、当面、月額18万円、日額7,500円、時給額1,100円を求めます。あわせて、一時金やその他の手当、退職共済会加入、社会保険加入など、すべての労働条件処遇について、正規職員との「均等待遇」を計画的に実施されることを求めます。

B 賃金をはじめとした労働条件の改定は、団体交渉を経て労使合意のうえで実施することを要求します。団体交渉では、5年に遡り経営の財務諸表の開示と説明を求めます。また、経営の将来計画や見通しの説明を求め、事業展開についても労使の協議と合意のもとに実施することを求めます。

C 「賃金見直し」により、「現給」引き下げのおきる職員については、最大限の経営の努力、また、激変緩和の救済措置を求めます。また、中途採用者の前歴換算の是正を求め、中途採用者と職場で在職する同年齢職員との賃金格差の解消を求めます。

(2)労働時間・職員増員等の要求

@ 労働時間短縮では、1週「実労35時間(1日・7時間)」と週休2日制の実現への経営としての努力を求めます。また、宿直・夜勤は1週1回以内とし、宿直(夜勤)明け、翌日の公休の保障を求めます。

A 労基局通達の「使用者の労働時間掌握の義務」を守り、労働時間の適正な掌握の手段としてのタイムカードの設置をすべての福祉職場に求めます。超勤手当や夜勤手当などの割増賃金は、タイムカードの刻印時間をもとに1〜15分未満を15分、16〜30分未満を30分と、15分単位で正確に計算し、計算どおりに支給することを求めます。

B 「常勤換算」方式の導入による、正規職員の非正規職員への置き換えに反対します。パート・非常勤職員など非正規職員の一方的な「雇止め」や、非正規職員の「置き換え」には反対します。

正規職員に欠員が生じた場合は、公募を原則としつつも、在籍中の非正規職員の優先的な雇用の保障を求めます。

(3)その他の要求

@ 「福祉人材確保法」の制定など、福祉労働者の地位向上・専門性確保のため、国・自治体へのとりくみや、業界世論形成に向けた働きかけを要望します。

A 憲法9条改悪を前提とした国民投票法案に反対すること、憲法改悪の動きにたいし「憲法9条と25条を守れ」の意思表示をおこなうことを要望します。憲法擁護の運動を利用者とその家族、職員に呼びかけ、当労組とともにとりくむことを要望します。

B 経営として、職員の健康管理に責任をもち、最低年1回の「職業病」特別検診を含む健康診断の実施を求めます。職員50人以上の職場での法律にもとづいて「労働安全委員会」の設置を求めるとともに、設置義務のない職場においても極力「労働安全委員」の配置を求めます。「大阪健康安全センター」の主催する『労働安全セミナー』へ、経営の責任による研修としての派遣を求めます。

C 職員会議をもとにした民主的な職場運営と、職員の権限と責任を明確にした業務の指示系統の確立を求めます。バザーや募金活動などの自主活動は、職員の自主性を尊重し、ノルマを課したり強要しないことを求めます。ましてや、職員の「業務成績評価」の一つにすることには反対します。

(4)職場での最低基準要求

 すべての職場で、実現する要求です。「地本統一要求」項目ではありませんが、分会で実現できていない要求項目については分会の独自要求としてください。

@ 手当として、地域手当(調整手当)、特殊業務手当、通勤手当、扶養手当、住宅手当等の支給を求めます。

A 週休完全2日制と「実労1日7時間(拘束8時間)」、年間1,800時間労働を実現すること。1ヶ月を超える「変形労働時間制」は導入しないこと。

B 6ヶ月以上勤務者の年次有給休暇を一律20日間、民法上保障されている余った年次有給休暇の1年間の持越しをおこなうこと。

C 夏季・冬季の特別休暇を日・祭日をのぞき、各々6日保障すること。年末29日〜年始3日の勤務者にたいし、「特別手当」を支給すること。

D 産前産後休暇は18週間、多胎出産の場合は22週間以上を有給で保障し、代替職員の雇用をおこなうこと。また、生理休暇は1潮2日を有給で保障すること。

E 生活施設での宿直・夜勤を1週1回以内、拘束12時間以内とすること。

F 職員の健康管理をはかること。「メンタルヘルス」疾患者への休業制度やリハビリ勤務制度の創設・改善をおこなうこと。リフレッシュ休暇の創設と拡充をおこなうこと。

G「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」改正を遵守し、その内容について、当組合と協議をすすめること。


V.福祉保育労大阪地方本部の組織拡大・強化にむけて

(1)大阪地方本部の組織強化のとりくみ

@ 月1回の分会・班会議をおこなっていくとともに、必要に応じて役員会議を開催していきます。春闘議案を読みあわせし、意思統一をはかっていきます。

A すべての組合員の参加する春闘体制をつくるために、分(班)会の執行体制の強化と日常的な学習と討議を深めていきます

B 地本の連続学習講座を分会・班でも位置づけ、職場複数代表を送り出していきます。

C すべての分(班)会、支部が地域労連・大阪労連「地区協」に結集し、地域から07春闘のとりくみと地域の労働運動の活性化を強めていきます。

(2)3000人の大阪地方本部づくりをめざして

@ 3月から5月までの3ヶ月間を「組織拡大月間」として、新入職員の組合加入をおこなっていきます。増え続ける非常勤・パート職員の組織化をおこない、組織化100%をめざします。当面、職場2人の組合員を増やし、地本全体で200人の組織増をめざします。また、職場にいる登録ヘルパーも組織化していきます。

A 支部は、組織拡大重点職場を設定し、学習会などへの参加を促し、結びつきを強めていきます。署名などの協力を依頼するなどして1分会2未組織職場の訪問を計画していきます。


春闘の諸日程


  大阪地方本部 大阪労連等 中央本部等
12
10(日) 北摂支部定期大会
11(月) 第1回学習講座
17(日) 堺支部定期大会
  15 対政府共同行動
16 共同集会
17 福祉保育労中央本部「07春闘討論集会」

11(木) 地本旗開き
14(日) 地本春闘討論集会
19(金) 第2回学習講座 
21(日) 大阪市支部定期大会
26(金) 第3回学習講座  
10(水) 旗開き
20(土) 大阪労連第34回臨時大会
21(日) 第39回中央委員会
22(月) 春闘討論集会

4(日) 第49回地本臨時大会
7(水) 第4回学習講座
21(水) 第5回学習講座
22日〜28日 要求書提出ゾーン
15(木) 07春闘勝利総決起集会
23(金) 地域総行動
25(日) 大阪ヘルパー総会
10〜11日 関西ブロック、労働学校と交流会 和歌山
17(火) 労働諸法制改悪反対中央行動

6(火) 第6回学習講座
14(水) 回答指定日
25(日) 「フィリピンの看護師、介護士の受け入れを考える集い」
28(水) 第7回学習講座
3(土) 大阪社保協総会
13(火) 春闘宣伝行動・なんば18:00
15(木) 大阪総行動(ストライキを含む統一行動)
6日 対政府中央行動

8(日) 統一地方選挙
11(水) 第8回学習講座
22(日) 統一地方選挙
12(木) 統一行動  

5月1日 メーデー    


07年4月からの福祉保育労賃金要求

※福祉職俸給表に参考にして賃金要求を作成しました。
その前提として、@ 間差額が4分割されたので、例えば新号俸(1号から4号)を旧来の1号俸とみなした。A 4大卒の初任給を基本に短卒、高卒の初任給を決めた。B 「ワタリ」は大卒初任給を基準とした。C 5級は管理職となっているが、50歳で昇格することにした。E管理職も含め一つの給与表を考えた。

※本俸の要求額

年齢 新号俸 07年度賃金要求 現在の市公私間
18 1-5 151,400 高卒初任給 142,400
19 1-9 156,900 146,100
20 1-13 162,600 短大卒初任給 150,800
21 1-17 168,700 155,500
22 1-21 175,400 4大卒初任給 162,100
23 1-25 182,100 168,800
24 2-1 196,600 176,200
25 2-5 203,700 183,700
26 2-9 211,000 191,300
27 2-13 217,100 198,900
28 2-17 223,500 206,500
29 2-21 230,100 214,300
30 3-1 245,600 222,200
31 3-5 253,500 230,200
32 3-9 261,300 238,400
33 4-5 280,700 246,500
34 4-9 289,700 255,400
35 4-13 298,700 263,500
36 4-17 307,800 271,700
37 4-21 316,900 280,000
38 4-25 325,700 288,300
39 4-29 334,100 296,700
40 4-33 342,300 305,100
41 4-37 350,200 313,500
42 4-41 357,800 321,900
43 4-45 365,100 330,100
44 4-49 371,100 337,700
45 4-53 375,700 343,200
46 4-57 379,400 347,500
47 4-61 382,700 351,100
48 4-65 385,500 354,700
49 4-69 388,100 358,300
50 5-49 407,100 50歳で5級昇格 361,800
51 5-53 410,000 365,300
52 5-57 412,800 368,700
53 5-61 415,500 372,100
54 5-65 418,100 375,300
55 5-69 420,700 378,400
56 5-73 423,300 381,500

※大阪市公私間格差是正の金額は、比較のため3等級(一般職員)の賃金表を掲載。


-全国福祉保育労働組合大阪地方本部-