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2017春闘 3.16全国いっせい行動[2017.3.2]

憲法を守り活かす福祉職場 労使共同宣言

 71年前、私たちは2つの大きな戦争をとおして、戦争が多くの人々のいのちと暮らしを奪い去り、平和に生きる権利を踏みにじるものであることを学びました。そして、戦争をしないだけではなく、武力で威嚇することや戦力を持つことも否定し、国の交戦権を認めないとする憲法9条を定めて、国際平和を希求してきました。

 また、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を持ち、その権利は国と地方公共団体が保障する義務を負うことを憲法25条で定め、国民の運動によって社会福祉を公的な権利保障の制度として創り、発展させてきたのです。

 今、世界には、国際紛争を武力ではなく話し合いで解決する大きな流れがあります。そして、多くの国で、人々が平和に安心して暮らせるための社会保障・社会福祉を、国の責任で拡充させています。ところが、日本では世界の流れに逆行し、憲法の枠組みのなかで国民に人間らしい生活を保障する政治をおこなうという立憲主義に反して、憲法9条や25条の解釈を変えた法律がつくられました。

 政府は、自衛隊を海外に派遣して武力行使を含む任務を与えて戦争ができる国へと舵を切りました。また、生存権を保障する国の責任を投げ捨てて、自助・自己責任を国民に押しつけています。それだけにとどまらず、日本国憲法の条文そのものを変えて「恒久平和・国民主権・基本的人権の尊重」という憲法の基本原理を壊そうとする動きが、急速に強まっています。

 私たちは、戦後71年の間、平和と人権を大切にする日本国憲法の精神が社会福祉の発展に果たしてきた大きな意義を受け止め、憲法を守って職場に活かすために、以下の項目について確認し、ここに宣言します。

一、私たちは、子ども・高齢者・障害児者など社会的支援を必要とする人たちの人権を守り発達を保障することをめざして、健全で民主的な社会福祉事業と福祉労働をすすめます。

一、私たちは、「平和こそ最大の福祉」であることを大切に考え、日本が戦争をすることや戦力を持つこと、そうしたことにつながる日本国憲法のいかなる「改正」にも強く反対します。

一、私たちは、国民の権利としての社会保障・社会福祉の実現、そして平和な社会の実現に向けて、憲法9条と25条の理念を学んで職場に活かしていくとともに、平和を願う多くの人々とともに憲法を守っていきます。

以 上

2017年3月16日

2017年3月16日

内閣総理大臣  安倍 晋三 様
厚生労働大臣  塩崎 恭久 様
防衛大臣    稲田 朋美 様

大幅増員・賃金改善と戦争法廃止を求める
3・16職場アピール

 福祉の仕事に誇りを持ち、やりがいを感じていても、辞めたいと思うことがあります。実際に、退職していく人があとをたちません。他産業に比べて月10万円も低い賃金では、将来を見通した生活がおくれません。不規則な勤務の上に、休憩や休暇も取りづらく、時間外での手当のつかない仕事に追われています。職員を募集しても応募がなく、常に人手不足で、求められる役割は増え続けています。一人ひとりに負担が重くのしかかり、もう限界です。

 子ども・高齢者・障害者を支える福祉職場では、安心して権利としての福祉を受けたい国民の期待が高まっています。ところが、「基本は自立・自助」「家族の助け合い」を強調する政策と予算の抑制がすすめられ、現場の人材確保難は深刻です。安倍首相は、来年度から保育士や介護職の処遇改善をおこなうとしていますが、月10万円の賃金格差を解消するにはほど遠い内容で、職員の増員も位置づけられていません。

 国の制度にもとづく社会福祉事業でこのような危機的状況が広がっていることは、あってはならないことです。処遇改善を求める声が社会的に高まっていることを踏まえ、政府は責任を果たし、抜本的な対策を打つべきです。国民のいのちとくらしを守る私たち福祉労働者には、継続性と専門性が求められます。希望をもって安心して働きつづけられる労働環境を保障するためには、大幅な増員と賃金の改善が必要です。

 また、福祉の前提となるはずの平和もおびやかされています。私たちは、昨年成立した憲法違反の安全保障関連法によって「戦争をする国づくり」がすすめられ、南スーダンに派遣された自衛隊が「殺し、殺される」ことを強く懸念しています。さらに、憲法自体を変える動きに対しても、憲法の遵守を強く求めています。

 福祉職場で働く私たちは、もう黙っていられません。きょう、私たちは国に対して、職員の大幅な増員、賃金の改善、戦争法の廃止などを強く求め、ストライキを含む全国いっせい行動に立ち上がりました。全国の仲間と「力をひとつに」、要求実現にむけて声をあげ、たたかっていきます!

全国福祉保育労働組合


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